Intra-muros’s diary

はじまりは饗宴から

2019-02-01から1ヶ月間の記事一覧

混成型君主国の代表例-フランスのルイ十二世

『君主論』第三章の続きである。混成型君主国としてミラノ公国を併合したフランス国の君主ルイ十二世がやり玉に挙がっている。 (4) Per queste ragioni Luigi XII re di Francia occupò subito Milano e subito lo perdé; e bastò a torgliene, la prima vol…

はたまた人称代名詞quelli

『君主論』に戻ろう。第三章の混成型の君主国について(De principatibus mixtis)に入る。 新しい君主国にも二様があった。まったく新しいのと世襲の国土に新領地を付け足して作る混成型の君主国、マキャベリはそう区分している。もっとも喋りたいのがまっ…

Excuse 言い訳その一

二日丸々書かずじまいで過ぎてしまった。昨日は京大にて「第六回ヴィーコ読書会」があったので、そちらに出かけて刺激をもらい帰宅。ヴィーコとは、イタリアは17世紀ナポリ生まれの哲学者で、当時ヨーロッパを席巻したデカルト哲学の理性万能に抗して、人文…

2月7日は「北方領土の日」だった

もう昨日になってしまうが、2月7日は「北方領土の日」の政府広報が目に留まった。簡略地図でいくと北海道の納沙布岬に近いのが歯舞群島、少し北東に離れて色丹島、戻って歯舞の上に国後島があって、同じく北東方面に択捉島がある。四島の名前と位置関係は絵…

日米地位協定、イタリアではドイツではいかに?

さて今日はマキャベリから少し離れて、昨日K書房のがんこ店主から授かった調べごとをメモしておこう。これは時間が経過しても忘れないようにするためである。 第二次世界大戦後、米軍が駐留する日本には日米地位協定がある。とくに沖縄で事件が起こるたびに…

マキャベリが繰り出す理由節Perchè(ペルケ)

今日は時間が無いので手短に。 『君主論』の第二章 De principatibus hereditariis(世襲の君主国について)の末尾を見てみよう。今後も夥しいほど出てくるマキャベリのperchè(ペルケ)で導かれる理由節だ、つまり「~、なぜなら・・・」という理由理屈を述…

マキャベリのあれかこれか―二分法ー

『君主論』第一章である。各章のタイトルはラテン語で書かれている。やはり見栄えの問題なのだろうか。 Quot sint genera principatuum et quibus modis acquirantur.(君主国にはどういった種類があるか、またどのように獲得されるものか) 最初からマキャ…

相手の立場からも見る2.2.2019

マキャベリの視点・̻視角のその二、風景画家になぞらえて。 (5) Né voglio sia imputata prosumptione se uno uomo di basso et infimo stato ardisce discorrere e regolare e governi de' principi; perché, così come coloro che disegnano e paesi si po…

現代の経験と古代についての不断の学習

引き続いて『君主論』献辞の第二パラグラフより。 (2) Desiderando io adunque offerirmi alla vostra Magnificenzia con qualche testimone della servitù mia verso di quella, non ho trovato, intra la mia suppellettile, cosa quale io abbia più cara…